【少年ユンの物語〜Southern Gate Keeper 誕生悲話〜】最終イベント レポート



ゲートが開き 普段通りカオス スペースから穴に飛び込むと・・・・
いつもとは違う風景がそこにありました

真っ白な雪の道が3階層になっていて 私達はその最上階に来たようです
そして 時間になると強制的に視点の切り替えが不可能になり


みんなが動揺する中 ユンの声が響き渡りました




ユン     暗く、深い、闇の底…。独り、泣く、冷たい世界…。
       …わかる…、そこにいるんだろ? …紅の翼…、オレを見てる…。
       こんな時間は、もうイラナイ…。これ以上、苦しめないでくれ…。
       クソッ! …この石コロに、自分を封じ込めることが出来ればいいのに…!
       …なんの役にも立たない…傷つけることしかできない、この…ちから…。
       イヤだ…イヤだッ…! オレが…神獣に…? なるしか…ない、のか…。




  
   そこに現れたオリアクスとルーチェ



オリアクス  準備はいいかー! …ついにここまで来ちまったな。
        ルーチェ、それにお前たち。よく付いてきてくれた。
        ユンを連れ戻すため、力を尽くすぞ!


ルーチェ   ここが Chaos Age…。暗く、寂しいところですね…。
        光と闇が混ざり合った、激しい力の奔流を感じます…。
         …迷える子羊は、無事でしょうか?



  
   そして 姿を現すユン・・・


     


 
オリアクス   ――ユン! 無事だったか!

ユン      オリアクス…兄ちゃん…? ルーチェ…姉ちゃん…? それに、みんなも…
        …どうして? …ここは兄ちゃんたちの来るところじゃないよ…。
        …もう、諦めた。…オレは逃げられない。
        あの【神獣】を、受け入れるしかないんだ…。

オリアクス   何をグズグズ言っている!
        俺たちは、お前を Present Age へ連れ戻すために来た。
          いいから…、来い。…詳しい話は、向こうでいくらでも聞いてやる!

イーゴ     オリアクスか…。また【器】が暴れているのかと思ったが、
         妙な客が来たものよ…!
         わざわざ【サザン ゲートキーパー】の、餌食となりに来たのか?
         ――【器】よ、喜べ!【神獣】となった貴様が、
        初に血祭にあげる贄が、目の前に――


ユン      …やめろッ! オレのことを勝手に喋るなッ!!

オリアクス  サザン…ゲートキーパー…? …【器】だと?

ユン      …兄ちゃんだって、わかってるだろ…? オレは…オレは、人間じゃない…っ!
      …Chaos Age で生まれた、【神獣】を宿すための【器】なんだ!
        【サザン ゲートキーパー】に身体を明け渡すために、生きてきた…。
        【神獣】と1つになったら、オレは人をキズつけるだけの生物になる…。
         血にまみれるためだけに、生き続けるんだ!


イーゴ     …そう。こやつの命に価値などない! 必要なのは、【器】としての肉体のみ!
         運命に抗うのは自由…。だが放っておいても、あと数日の命よ…!
        Chaos Age で生き絶えれば、【肉体】は無に帰し、
        【魂】は永久に混沌の世界に囚われるだろう!
        …だが、サザン ゲートキーパーと一つになれば、話は別だ。
        【魂】は解放され、【肉体】は神獣として生き長らえることが出来る…!
         ――そいつは、闇に囚われることを恐れ、
        【神獣】と一体になることを決めたのだ!



オリアクス   …ユン。…お前、本当にそれでいいのか?
       【サザン ゲートキーパー】に、身体を乗っ取られちまっても、いいのか!
          ――お前は、血を嫌い、闇に震えた。なぜ、受け入れる必要があるッ!

ユン      ――オレだってッ! …オレだって、イヤだよ! 神獣になんか、なりたくない!
        楽しい時間を、一緒に過ごしたみんな…
         それを、オレの体で…この腕で…痛めつけるなんて…、イヤだ、イヤだよ…。
         でも、もうここからは逃げ出せない…。
        …兄ちゃんにはわかるでしょ? 忍び寄る、闇の気配…
         【サザン ゲートキーパー】はそこまで来てる。
        …オレはもう、ヤツを受け入れるしか無いんだ…!


オリアクス   ――よし、わかった。

         ユン。これ以降「オレ」と言うのはやめろ。
        俺の知る坊主は、いつも「僕」と言っていた。…戻せ。

         そして、命が尽きる瞬間まで「人」として…「ユン」として、生きろ!


ユン      …え?
 
オリアクス   ――イーゴ様。
         サザン ゲートキーパーの【器】には、ユンの代わりに俺を使ってください。
         …たとえ、坊主があと数日の命だとしても、構わん…!


ユン      …兄ちゃん! なに言ってるの…? やめて…、やめてよッ!
        兄ちゃんは関係ない!


オリアクス   神獣の覚醒が、マブ教にとって――イーゴ様にとって
         大切なことは承知しています。
         なればこそ…その重責を、こんな坊主じゃなく俺に任せてください。

イーゴ     …うぬぼれるな! 貴様ごときの力で、務まるとでも思っているのか!
         カオス生物を器にしなければ、神獣は本来の力を発揮できん。
         弱き者は、不要! 何の役にも立たん虫ケラ同然の存在よ…!
          第一、子どもの姿をしていようとも、そいつはカオスの生命体。
          本気を出せば、ビスクの街など、一撃で跡形もなく滅ぼすことができる。
         そんな化け物を助け、何になるというのだ?
        そいつの生きる場所など、どこにも在りはせんわ!


オリアクス    俺は、どんな試練でも受ける覚悟がある!
          ユンが「人」として死ねるのなら…、俺の魂など惜しくは無いッ!


イーゴ      …クックックッ。
          …面白い。面白いぞ、オリアクス!
         貴様は、マブ神祭をあそこまで成功させた男。
          そこまで言うのであれば、その力、見せてもらおう!
          貴様は【サザン ゲートキーパー】となって後、
         この地に群がる人間どもを、血祭りにあげることができるか?
          …断末魔が闇にこだまするたび、神獣は本来の力を取り戻してゆく…!
          そして、貴様の肉体も、精神も、完全に混沌へと葬られるだろう…!
         それでも良いのだな…!


オリアクス    …構わん!

ルーチェ     オリアクス、本気で言っているのですか!
          あなた様の魂は…この暗闇に呑まれてしまうのですよ!?


オリアクス    ――構わん。

イーゴ      クックックッ…!
         6体の神獣がこの時空に集う時、すべての力は我が物となる…!


オリアクス    …お前たち。俺は本望だ。
          イーゴ様に拾われ、闇の力に染まり、ギルドを率いてきた…。
          たくさんの、愛すべき信徒にも恵まれた。…悪くない時を、過ごしたと思う。
          闇の力は不滅だ。…マブ教徒ども、ダイアロスを紅に塗り替えろ!
          …マブ神祭で深めた血の結束を、ムダにするんじゃない!

          …そして、ルーチェ。
         お前とは色々とぶつかりもしたが…今となっては良い思い出だ。
          お前が、ユンのために来てくれるとは思ってもみなかったぞ。


ルーチェ     …迷える子羊を救うことは、私たちの使命です。
          ですが、それだけではありません。
         今回のあなた様の行動に、深く感銘を受けました…。
         …力になれず、口惜しく思います。

          …今後もマブ教とは、徹底的に戦わせて頂きます。
         …良いですか? あなた様と!でございます!


ユン       兄ちゃん、イヤだ…、…僕、僕…っ…!
         …僕、何のお礼もしてない! …助けてもらうばっかりで…

オリアクス    いいか、「ユン」。俺が与えた名を、決して忘れるな。
          最後まで、胸を張って生きろ。…命が尽きるその瞬間までな。
          俺は、お前を拾ってから…今まで気付かなかった多くの物を見出した。
          過去に失った物、これから失うであろう物、
         俺の中に眠る、人を思いやる心…。
          …悪くない、気分だったぞ。

          ――そこにいるのだろう【サザン ゲートキーパー】!
          さぁ…、来い!!

         
血塗られた御手に、栄えあれ――!




イーゴ      クックックッ…! 新たな神獣が覚醒したぞ!!
         人間とはいえ、暗使の頂点に君臨する男だけはある。
         不完全ながらも、分身は作り出せるようだな!
          さぁ【サザン ゲートキーパー】よ! 血を浴び、本来の力を取り戻せ!
         全てを混沌に沈めるのだ…!



    
不気味な音楽と共に 続々と姿を現すサザン ゲートキーパー達

    



サザン ゲートキーパー   …ぐ……ッ!
                お、お前たち……、歯ぁ…くいしばれッ!
                 …ここにいたら、…俺に…殺されるぞッ…!
                次に、会うときは…容赦せん…!
                …だが、今は生き延びろ…! ユンと共に、帰れ……ッ!
                




ユン        ――今だッ!

ルーチェ      オリアクスッ!!




サザン ゲートキーパー  …さらばだ。


サザン ゲートキーパー   ――シシッ!





      
気がつくとみんなカオスゲートの前に立っていました

 

ルーチェ   …皆さま…? おケガはありませんか…?
         …ここは…イプス雪原…? …Future Age へと戻ってきたのですね…。
        …オリアクスが最後の力を振り絞り、逃がしてくれたのでしょう…。
         …そして恐らくは、これが彼に残された最後の良心…。
        【サザン ゲートキーパー】となったオリアクスは、じきに人の心を失うでしょう。
         もはや彼は…「人」としての存在ではありません。
        【悪しき神獣の1人】として、混沌の地で生き続けるのです…。
        Chaos Age のイーゴは、私たちが生きる時代―― Present Age のイーゴとは全く違う、
        強大な邪念に包まれていました。
        この Future Age でカオス・ゲートを開き、邪悪な力を一身に集めたのでしょう。
         あの場で感じた気配を思い出すだけで、震えが走ります…!
         全ての神獣が彼の元に集う時、あの者は、どれほどの力を掌握するのでしょうか…。

        ――そういえば…ユンの姿が見当たりませんね?
        ユン? ユンッ! どこにいるのですかッ? ――まさか…!


ユン      ルーチェ姉ちゃん、みんな…、僕なら大丈夫だよ。心配しないで…。
        ねぇ…1つ、とっても大事なお話をするから、聞いてくれないかな?
        …僕ね、ここへ飛ばされる寸前に、【オリアクス兄ちゃんの意識】を封じたの。
        Chaos Age にだけ存在する、記憶と意識を封じられる石――この【時の石】に、ね。
        この意識を移す【身体】さえあれば、兄ちゃんを復活させられるかもしれない…。
       その可能性は、この Future Age に眠っているんだ。
        …この雪原のはるか上空に浮かぶ、【浮遊都市 バハ】にね!
       …Chaos Age で、イーゴから聞いたことがあるんだ…
       【バハ】では、この時代のイーゴが、失われた古代文明の力を暴いて、
        人工生命体を生み出しているんだ…って。
        たしか…【ホムンクルス】とか言ってた気がする。
       …ルーチェ姉ちゃん、この石を受け取って欲しい。そう、【時の石】だよ…!
       僕は、兄ちゃんの意識を封じるために、カオス生物としての力をほとんど使っちゃったんだ。
       …だから、僕じゃ復活させられない…。
       でも、兄ちゃんのことを大切に想う、勇気ある人ならきっと、何とかしてくれると思うんだ!


ルーチェ    …このような小さな石に、オリアクスの意識が…?
       ユン…。たしかに受け取りました。


ユン      エヘへ! 僕ね、自分の力は、人をキズ付けるコトにしか使えないと思ってた…
       だから、最後の最後で、大切な人のために使えて嬉しいよ!
        …僕、もう行かなくちゃ…。
       オリアクス兄ちゃんがくれた、大切な大切な宝物だもん…。一分だって、ムダにするもんか!
        動けなくなるまで色んな物を見て…色んな物に触れて…、たくさんのことを感じたいんだ。
       …みんなの顔をみたら、泣いちゃいそう…。
        …だから僕、…このまま行くね。
       人間の心、あったかい心。…幸せな気持ち。
       みんなと会って初めて知ったんだ。
        本当にありがとう…。僕を、「人」にしてくれて、どうもありがとう。


ルーチェ    ――ユン。あなたは、強い子ですね…。
       残された時間を、精一杯…生きるのですよ。
      …皆さま? ユンから預かった【時の石】が、かすかに熱を発しているようです。
       封じ込められた「人」としての意識が――オリアクスが、呼んでいます。
       これを用いれば、【浮遊都市 バハ】で、彼の肉体を復活させることができるかもしれません。
       …残念ですが、ここでお別れです。
      私は、ユンが残した言葉を信じ、【バハ】へ向かいます。
       邪神を信奉する愚か者ではありますが、
       ユンの身代わりとして命を捧げた彼を、このまま見捨てることはできません。
       この白銀の世界に眠る奇跡を、きっと呼び覚まして見せます…!
       …いつの日か【バハ】に来ることがあれば、再びお会いできるかもしれませんね…。
       ラル・ファク神よ…この勇気ある者たちに、祝福を!!







   






ナレーター    以上をもちまして、ストーリーイベント
           【少年ユンの物語〜Southern Gate Keeper 誕生悲話〜】を終了いたします。
           サザン ゲートキーパーとの戦いに挑戦される方は、
           4月9日〜10日の【風の日】18:00から解放されるカオス・ゲートより、時の間へとお進み下さい。
           開催日が変更となり、大変なご迷惑をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。  
           ご参加ありがとうございました。




 そして最後に イベントに参加した皆さんへ   

    私語を謹んで 周りの事を考え 静かにイベントを見守ってくれて本当にありがとう    E鯖大好き